クリスト&ジャンヌ=クロードの想いを受け続ける
凱旋門を「梱包」するアートプロジェクトが完成

▲写真:Benjamin Loyseau|2021 Christo and Jeanne-Claude Foundation

フランス・パリにある凱旋門では、アートデュオのクリスト&ジャンヌ=クロードによるアートプロジェクト「L’Arc de Triomphe, Wrapped, Paris (1961-2021)」が2021年10月3日(日)まで公開されている。

このプロジェクトは、パリの名所・凱旋門をまるごと生地で包み込むというもので、クリストが2020年5月に亡くなった後、同氏の想いを受けて続けられていた。

▲写真:Benjamin Loyseau|2021 Christo and Jeanne-Claude Foundation

▲写真:Benjamin Loyseau|2021 Christo and Jeanne-Claude Foundation

この「梱包」に使用されているのは、25,000平米のリサイクル可能なブルーシルバーのポリプロピレン生地。そこに3,000mにおよぶポリプロピレンの赤いロープを張り巡らせている。

クリストとジャンヌ=クロードは1958年にパリで出会い、3年後の1961年には公共スぺースを題材としたアート作品のデザインと制作を開始したという。凱旋門を梱包するというアイデアもこの年に生まれたそうだ。

さらに、クリストは1962年から1963年にかけて、パリ・フォッシュ通りから見た梱包のフォトモンタージュを制作。1988年にそのコラージュ作品を制作したのち、2017年から再びこのプロジェクトにとりかかった。

▲写真: Alamy Ltd ©1963 Alamy Ltd

▲写真: Wolfgang Volz
2019 Christo and Jeanne-Claude Foundation

そして、2020年には、パリの現代美術館 ポンピドゥー・センターが、クリスト&ジャンヌ=クロードの1958年から1964年までのパリ時代と、アート作品「梱包されたポン・ヌフ」(1985)の歴史を辿る展覧会を開催。

▲写真:André Grossmann © 2018 Christo

▲写真:Benjamin Loyseau|2021 Christo and Jeanne-Claude Foundation

これを受けて、ポンピドゥーセンターが凱旋門の梱包プロジェクトをフランス文化財センターに提案。パリ市からの支援もあり、60年間にもおよぶこの作品がこのほどようやく実現した。End