NEWS | アート / ソーシャル
2021.09.17 15:20
新型コロナウイルスの影響により、多くの企業が活動の停止や撤退を余儀なくされている。世界の各都市のダウンタウンエリアでは、店舗スペースの空きが目立つようになっているという。
そこで、カナダ・モントリオールでは、使われていない店舗を減らす新たな取り組みが行われている。これは、「CRÉER DES PONTS」(フランス語で「橋を架ける」)と呼ばれるプロジェクトで、ビジュアルアートのコミュニティと協働するというものだそうだ。
この取り組みでは、60人の若手アーティストに対して、22の建物にある30の空室を3か月間にわたり提供。創作や展示、ミーティングなど、使い方はさまざまで、2人のアーティストでスペースをシェアすることになる。
こうしたアトリエは密室ではなく、もとはショップだったわけで、通りからも見えるし、ショッピングモールの中でもすぐにそれとわかる。前面のショーウィンドウにはアート作品が展示されるし、奥のワークスペースに市民がアクセスすることもできるようだ。
プロジェクトは2021年10月15日(金)まで行われるそうで、アーティストが日々創作や宣伝を行うとともに、一般の人もおよそ25のプログラムを楽しむことができる。
この取り組みを主催する非営利団体 Art SouterrainのFrédéric Louryは、「CRÉER DES PONTSは、テクノロジーの分野でよく行われている『若き才能』への投資と同じものです。優れたビジュアルアーティストはみんな、キャリアをスタートさせるときにこうした経験が必要です」と語る。
「それは、彼らのアートを発展・成熟させるスプリングボードにもなりますし、カルチャーやビジネスのエコシステムと関係を築くことにもつながります。また、豊かな経験を得るためにはサポートが必要で、参加したアーティストの大部分は、こうしたネットワークを通じて、はじめて創作の場を持つようになるのです」と説明している。