構造計画研究所が新しく開発した
木製パネル耐震壁「CLT市松ブロック壁」

▲CLT市松ブロック壁を取り入れた「平成学園ひまわり幼稚園」

構造計画研究所は、木質材料「CLT(Cross Laminated Timber:直交集成材)」を活用した木製パネル耐震壁「CLT 市松ブロック壁」を開発し、特許を取得したことを発表した。

「CLT市松ブロック壁」は、市松状に配置したCLTパネルと鋼板およびドリフトピンで構成されており、建物の耐震壁として用いることが可能。採光性や通風性、さらにはデザイン性を兼ね備えた木製パネルでできている。

▲実大実験状況の写真

同社では、小判のCLTパネルを金物と組み合せることで、ブレース効果に期待した高耐力および靭性を有する耐震壁を発明。力学的特性を解析により求め、要素試験および実大壁体試験により比較検証し、その構造性能の評価を行っている。

高知県南国市では、このCLT市松ブロック壁を初めて適用した「光・風・木と遊ぶプロジェクト」が2021年3月に竣工。

▲「平成学園ひまわり幼稚園」南面外観パース

完成した学校法人平成学園が運営する認定こども園「ひまわり幼稚園」の新しい校舎は、意匠設計を隈研吾建築都市設計事務所、構造設計を同社が担当。木の温かみを感じられる木造(CLT)建築となっている。

▲鉄骨造とのハイブリッドイメージ

▲RC造とのハイブリッドイメージ

同社は、CLT市松ブロック壁を利用することで、壁式構造であるCLTパネル工法の課題であった採光性・通風性の確保と、デザイン性・施工性の高いCLT建築物が実現できるとしており、CLTパネル工法だけでなく、鉄骨造やRC造の耐震要素として利用するなど、CLTパネルの使用方法のさらなる水平展開を目指している。End