職人が手から手へ引き継いできた
「軌跡」を紹介する「SHOKUNIN pass/path」展

京都市左京区の京都伝統産業ミュージアムでは、特別企画展「SHOKUNIN pass/path」が2021年11月6日(土)から2022年1月23日(火)まで開催される。

同展は、中川木工芸の中川周士と開化堂の八木隆裕が、2017年のミラノサローネで発表した同タイトルの展示を起点に始まった取り組みである。

▲開化堂/八木隆裕

▲中川木工芸/中川周士

英語の「Craftsman」や「Artisan」とは異なる意味や性格を持つ「職人」という言葉と、職人による「職人性」への探究によって、それぞれの作り手としての現在地を示しながら、これからの工芸の座標を映し出すことを目指している。

今回は、中川木工芸と開化堂のほか、朝日焼(松林豊斎)、金網つじ(辻徹)、小嶋商店(小嶋俊・小嶋諒)を加え、5つの工房が繋いできた「今」が見えてくる展示と、工芸を軸にしたシンポジウムやワークショップを開催する。

▲朝日焼/松林豊斎

▲金網つじ/辻徹

▲小嶋商店/小嶋俊・小嶋諒

イタリアのデザイナー、エンツォ・マーリの「職人は手の中に脳がある」という言葉は、職人が手から手へと、言語を介さず繋いできた思想や哲学体系があることを物語るものである。

同展では、陶芸、提灯、茶筒、木桶、金網の工房が集まり、職人たちが代を重ねて引き継いできたものや、それを超えて伝承されてきたものなど、それぞれの工房の視点で表現される、手渡し続けてきたものの「軌跡」が楽しめるだろう。End

特別企画展「SHOKUNIN pass/path」

会期
2021年11月6日(土)~2022年1月23日(火)
9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日
11月29日(月)、12月21日(火)、12月29日(水)~1月3日(月)
会場
京都伝統産業ミュージアム
詳細
https://kmtc.jp/special/2021/09/12/4739/