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2021.09.08 16:10
ドイツ・ミュンヘンで開催中の「IAA モビリティ 2021」において、メルセデス・ベンツは2020年に発表した、映画「アバター」にインスパイアされたコンセプトカー「VISION AVTR」の特徴的な機能「ブレイン・コンピュータ・インターフェイス(BCI)」を公開した。
これは、脳波を使ってさまざまな操作を行うというシステムで、ユーザーはデバイスを頭部に取り付け、短時間の調整プロセスを経て、測定された脳波を解析。自らの思考で、目的地の選択や車内照明の切り替え、ラジオの選局など、ユーザーインターフェイスを制御して、自動車をリアルタイムで操作できるようになるという。
医学の分野では、BCIは、身体に障害をもつ人々がより自立した生活を送るためのサポートアプリケーションとして研究が進んでいる。これを自動車に応用することで、ドライバーにより快適な運転を提供したり、運転に集中して安全性を高めたりすることがねらいだ。
IAAでは、VISION AVTRのモックアップシートを用意して、視覚をベースにした「マインドコントロール」を実施。デバイスの電極から脳の活動を記録して、自動車に直接接続することができる。
脳は視覚を通じて、デジタルのダッシュボードに表示される光の点による刺激に反応。大脳皮質のニューロンの活動をリアルタイムで測定し、脳波を解析して、ユーザーがどの光に焦点を合わせ、注意を向けているかを認識する。
こうしたBCI技術と融合したいくつかの機能を通じて、来場者はこれまでにない自動車とのインタラクションを体験することができるようになる。
映画「アバター」に登場する架空の言語「ナヴィ語」と自然とのあいだのニューロンのつながりのように、自分の脳とVISION AVTRがどれだけ速くつながるかを体験できるそうで、光の点に集中することで、送風したり、充電ステーションを選択したり、車内のモードを昼から夜に変えたりできるそうだ。