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2021.08.30 14:50
台風もエネルギーに変える「垂直軸型マグナス式風力発電機」を開発するチャレナジーは、フィリピン共和国バタネス州にて、マグナス風車のフィリピン初号機の本格稼働を2021年8月25日(水)に開始したことを発表した。
フィリピンでは近年、急激な経済成長によりエネルギー需要が著しく増大している一方で、約800万人が未電化地域に住んでいるという。
その理由としては、同国が7,600以上の島で構成されており、電力系統インフラが整備されていないことと、台風の襲来頻度が高く、安定した電力供給が難しいことが挙げられる。
そこでチャレナジーは、台風などの強風速域においても発電できる「垂直軸型マグナス式風力発電機」を開発。フィリピンにおいて地産地消できる電力供給を目指して、実証事業を開始した。
フィリピン初号機は、2018年に石垣島でスタートした実証成果を反映し、性能・耐風速設計が向上。より強風が吹く地域でも設置が可能となり、フィリピンの建築基準をクリアする70m/秒まで耐えられる設計となっている。
さらに、離島はインフラが未整備な地域が多く、これまで大型クレーンなどの使用が難しいため、風力発電機の設置に向かない場所とされてきたが、今回はこうした環境での建設性を向上させる取り組みとして、重機などを使用せずに建設した。
また、同社とスカパーJSATが新たに開発したマグナス風車専用の監視システムにより、遠隔からの稼働状況モニタリングと操作が可能。監視システムは衛星通信を用いており、携帯電波が繋がりづらい遠隔地でも継続的に監視ができるそうだ。
なお、初号機で発電された電力は、当面、独立電源として街路灯・農業用水ポンプなどの地域生活に密着した用途に活用される予定だ。