スキーマ建築計画の新作「SENBAN」
ミラノサローネに出展

▲SENBAN3

建築家・長坂常が率いるスキーマ建築計画は、コレクション「SENBAN」を、2021年9月4日(土)から9月12日(日)まで、イタリア・ミラノで開催されるミラノサローネにて展示する。

今回は、スキーマ建築計画がデザインを手がけ、TANK/福元成武がプロダクト・リアライゼーション(加工機の開発、プロダクトの製作)を担当し、共同で「SENBAN」を制作した。

「SENBAN」は、古くから用いられている旋盤加工という加工法に対して、新たに考案した電動丸ノコをつかった「丸鋸旋盤」で製作された作品である。

旋盤加工は、工作物を回転させて切削する加工のことで、基本的には切削するのに丸くなっていないと跳ね返されて、まともに加工できないとされ、主に丸棒が材料となる。

同事務所では、今年の第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展にて日本館の設計に携わり、その時に建築の足場の材料である単管(48.6Φ)と、大きさがまちまちの古い角材を接合させたいと構想。

そこで、角材で弾かれずに切削するために、回転と同じ方向に回転させた丸鋸を直角に当て48.6Φに切削する加工する「丸鋸旋盤」を考え、テーブルやベンチなどいくつか家具を作り、会場に設置した。

▲SENBAN1

そして今回、3種類の旋盤加工機を作り、それぞれ複数の丸鋸旋盤の作品を制作した。まず、「SENBAN1」は、オブジェクトをある向きに回転させ、その回転と同じ方向に回転させた丸鋸を、そのオブジェクトにY方向に近づけながらX方向に移動していくことで筒状に加工した。

「SENBAN2」は、オブジェクトの回転と直角方向に回転するものをZ方向に近づけ、そのオブジェクトを回転しながら切ることで、お椀状にくり抜かれたものができあがった。いびつな凹凸が正円に彫り込まれたとたん、器としてのまとまりが生まれ、切削面にも予想できない模様が現れている。

▲SENBAN2

▲SENBAN2

また、「SENBAN3」は、オブジェクトの回転と直角方向に回転するものをそのオブジェクトXY方向に近づけることで加工し、対象のオブジェクトを筒状に削った。なんの変哲もない石が丸く削られ、奇妙なプロポーションで瓶の口に嵌るアイテムとなっている。End

▲SENBAN3

▲SENBAN1

▲SENBAN3

ミラノサローネ「SENBAN」

会期
2021年9月4日(土)~9月12日(日)
時間
9月4日 11:00~17:00(最終入場16:00)
9月5日~9月12日 11:00~19:00(最終入場18:00)
会場
Alcova Outdoor Area A3(VIA SIMONE SAINT BON 1 MILANO)