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2021.08.26 15:35
北海道大学大学院工学研究院 小澤丈夫教授らの研究グループは、海野建設および内田洋行との共同研究により、国産木材を活用した組立式和室「くみたて2020」を開発した。
「くみたて2020」は、高度な技術がなくても、誰でもどこでも1台あたり約15分で設置することができる、フレキシブル性に優れた置き型の2畳サイズの和室である。
構造体は基本フレームに畳と軒を組み合わせてシンプルに構成され、自由なレイアウトで建具パネルをはめ込むだけで完成させることができる。
建具パネルは、障子戸、板戸、床の間、付書院、違棚、躙口、縁側など、ユーザーの好みや目的に応じた多様な建具パネルを用意。
床部には木造日本建築に用いられる軸組工法の技術、建具パネルには伝統的な建具職人の技術を使い、柱・梁の接合部や建具・軒パネルには金物を採用するなど、木材と金物の最適な組み合わせで構成されている。
さらに、本体フレームどうしを連結させることで、,直列の連結や雁行配置、坪庭を設けるなど、広がりをもった多彩な配置と新たな空間作りができるなど、利用シーンに応じた可変性を備えているのが特徴だ。
また、各パーツは人手で持ち上げられる重量とし、引掛式金物による部材の組合せと六角レンチのみの使用で作ることができる。今回は小型のバンや軽トラックでの運搬を想定し、建具パネルの基本モジュールを880mm x 880mmに小型化・軽量化した。
使用シーンは、イベントや休憩、飲食,文化・芸術活動、学び、インフォメーションや各種PRでの活用などを想定。日本の伝統建築が誇る建具職人の高度な技術を継承し、和の空間の伝統と心地よさを広めることを目指している。