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2021.08.06 16:54
広島県福山市の精密鋳造メーカーで、歴史と記憶を伝えるブランド「ヒストリーメーカー」を運営するキャステムは、⼀般社団法⼈ 禎⼦の折り鶴の協力のもと、佐々木禎子さんが生前最後に折った折り鶴をステンレスで量産化することに成功した。
広島に原爆が投下された1945年に2歳で被爆し、12歳の時に白血病を発症して亡くなった佐々木禎子さん。闘病生活中には、病気の回復の願いを込めて1,000羽以上の鶴を折り、「禎子の折り鶴」と呼ばれている。現在では、「平和への想い」「世界平和と幸福の祈願」のシンボルとなっている。
ただ、「禎子の折り鶴」は、佐々⽊家と広島平和記念資料館内のものを合わせ、100羽程度しか残っていない。佐々木家には、国内外から禎子の折り鶴の寄贈依頼があるそうだが、数に限りがあるために、すべての要望に応えることができない状況にあるという。
また、紙という材質ゆえに色の退色や劣化が起こり、その保存には専⾨的な知識と高額な設備も必要だとされる。
そこで、3Dスキャン・3Dプリントといった最新のデジタル技術とキャステムの50年の精密鋳造技術を掛け合わせることで、金属製の折り鶴が完成。
この折り鶴は、折り目や紙の質感まで完全再現されており、商品名も「SADAKO」と命名して、日本国内および海外に向けに2021年8月6日(金)より販売されることになった。
禎子さんが生前最後に折った折り鶴は、ひとつひとつの折り目が丁寧に力強く折られており、「禎子さんが自身の折り鶴に織り込み託した願いや想いをカタチにする」ことが、このプロジェクトの使命になったそうだ。