NEWS | サウンド
2021.08.05 14:45
清水建設は、業務用音響機器メーカーのTOAと共同で、オープンなオフィス空間で交わされる会話音声が周囲に拡散するのを抑制する音環境制御システム「オトノカサ」を開発したことを発表した。
オトノカサは、放物面状の天井(カサ)と、カサの下で交わされる会話音声を収録するマイク、放物面の焦点からカサに向かって会話音声を拡声するスピーカーで構成されている。
集音され、焦点から放物面に放射された音声は、パラボラアンテナの原理により一様に真下に向かって反射。これにより、拡声された音声はカサの下にいる人にだけ届き、カサの外には広がらないので、周囲に与える影響を最小限に抑制することができる。
オープンエリアでは、打ち合わせ時の声量を抑えてもスムーズな会話のやり取りを行うことができ、周囲の執務者は会話音に煩わされずに執務に集中できるようになるという。
実オフィスでの実証実験では、カサの外(カサ端部から1mの距離)での拡声音の音圧レベルはカサの下(中央部)での測定値より約10dB低く、物理的な音のエネルギーとしては約1/10に抑制できることを確認。
このシステムは、東京・丸の内にある、「未来のオフィス空間」づくりに取り組む会員型コワーキングスペース「point 0 marunouchi」に試験導入され、実際にカサの下で会話をする話者の音声が無意識に小さくなるという結果も得たそうだ。