アンビエンテックに火のゆらぎから生まれた
ポータブル照明「hymn」が登場

ポータブル照明ブランドのアンビエンテックは、空間デザイナー・吉添裕人のデザインによるポータブル照明「hymn(ヒム)」 を2021年9月5日(日)に発売する。

▲吉添裕人

同氏が初めてプロダクトデザインを手がけたという「hymn」は、2019年にミラノサローネで同時開催されたサローネサテリテにおいてプロトタイプ作品として発表されたもの。「火」という原始的な明かりを再解釈した作品で、2年間の開発期間を経て製品版が完成した。

「火」の魅力そのものといえる「ゆらぎ」には余韻があり、その情景が人々の心に届いたときに深い情感を生むとされる。「hymn」は、このような「火」のありさまを新たに具現化した光を提供するものである。

デザインは、吉添が「火」という自然現象から受けた気づきや心の動きを、現代の光の在り方と重ね合わせながら、太古から人間の暮らしに寄り添う持ち手付燭台に灯る炎のような照明器具へと落とし込んでいる。

▲2019年のプロトタイプから引き継がれたペンデュラムレンズ

そのなかでも特徴的なのが、プロトタイプ時より引き継がれ、新たに生まれたレンズと振り子の仕組みが一体となったペンデュラムレンズである。

▲hymn Black(左)とhymn Gold

下部より光を投射すると、屈折の効果によってレンズパーツの上部先端に光が浮かび上がり、振り子と磁力による動きの効果によって不規則な揺らぎがもたらされ、炎のような変容する光のテクスチャーが生まれるのだ。

▲hymn本体:アルミニウム(黒・金メッキ仕上げ)、シェード:ガラス、ペンデュラムレンズ:アクリル樹脂

▲ペンデュラムレンズ・銅線アーム・磁石で構成されたパーツ(特許出願中)

2000Kの温かみのあるLEDランプは、スイッチを入れると、磁石の作用により不規則な動きを伴って、ペンデュラムレンズ先端に自然な灯りを作り出す。消灯するときは、光が一瞬強くなってから消える佇まいで、あたかも本物の蝋燭を思わせてくれる。

また、取り外し可能なガラスシェードには周りの景色が映り込ので、広がりのある世界観を楽しむことができるだろう。End