京セラと長崎大学、「海の見える化」を目指して
エナジーハーベスト型スマートブイを共同開発

▲エナジーハーベスト型スマートブイ
SLTT(Small Lens type Tidal Turbines)(左)とVTT(Vertical axis Tidal Turbines)

京セラ長崎大学は2021年7月14日(水)、京セラのIoT関連技術と長崎大学の潮流発電技術を融合した「エナジーハーベスト型スマートブイ」を共同開発したことを発表した。

海洋ゴミなどの海洋汚染や海水温上昇などの気象変動が社会問題となるなか、これまで海上で継続的にデータ収集を行うには安定した電源供給が難しいとされ、海のなかで起こっていることが見えにくかったという。

そこで両者は、安定した海洋データの収集による「海の見える化」を目指して、海洋データ収集に必要な電力をブイに搭載した潮流発電システムで賄う「エナジーハーベスト型」の試作機を開発、実海域試験に成功した。

▲ユニットに搭載された京セラのIoT端末「GPSマルチユニット」

天候に左右されない潮流発電システムとしては、ブイと発電部が分離したタイプの「SLTT(Small Lens type Tidal Turbines)」と、ブイに発電部が直結しているタイプの「VTT(Vertical axis Tidal Turbines)」の2種類を試作。

実験では、潮汐周期における大潮から小潮までの9日間、内蔵の加速度センサー、温湿度センサー、地磁気センサーのほか、外部接続した電磁流速計から水温、流速、流向、さらにはバッテリー電流、電圧など計21チャンネルのデータをセンシングし、クラウドへの送信が行われたそうだ。End