ヤマハのAIと人間の共創を追求する
ピアノ演奏プロジェクト「Dear Glenn」

▲『Dear Glenn』カンヌライオンズ エントリーボード

ヤマハが手がけるプロジェクト「Dear Glenn」が、2021年6月に開催された広告・クリエイティビティの祭典「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」において、「エンターテインメントライオンズ・フォー・ミュージック」部門の「シルバー」を受賞した。

このDear Glennは、AIと人間の共創の可能性を追求するためのプロジェクト。その名称は、新しいテクノロジーに可能性を見出した伝説的なピアニスト、グレン・グールドの姿勢に敬意を評し、着想を得たことに由来するという。

「AIは、どこまで人の心を動かせるのだろう。」という問いかけをテーマに掲げ、グールドらしい音楽表現でピアノが演奏でき、さらに人間と協調して合奏することができるAI搭載のピアノ演奏システムを開発。その様子をドキュメンタリーフィルムに収めた。

さらに、2019年9月にオーストリア・リンツ市で開催されたメディアアートの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」において同AIシステムを初公開。AIシステムによるピアノ独奏や、現代の名演奏家との協奏を披露した。

▲© tom mesic

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▲「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」にて開催された演奏会でAIシステムによるピアノ独奏、演奏家との合奏を披露 © vog.photo

いずれの演奏楽曲も学習データには含まれていなかったそうで、AIは目標となる音源情報がない中で、どこまでグールドの音楽性に迫ることができるのか、そして合奏という協調作業の中で、どこまで人間との関係性を構築できるのかを探求した。

同社はこのプロジェクトを通して、現代のテクノロジーであるAIと人間が互いに刺激し合い、共創する新しい音楽表現のあり方を提示することを目指している。End