アンビエンテック、倉俣史朗が手がけた
「SAMBA-M」の復刻版をリリース

▲Photo credit: Hiroshi Iwasaki

照明ブランドのアンビエンテックは、デザイナーの倉俣史朗(1934-1991)が手がけた「SAMBA-M」を復刻し、2021年7月に一般販売を開始する。

「SAMBA-M」は、1988年に東京、パリ、ミラノを巡回した展覧会「IN-SPIRATION」で披露された、当時の最新テクノロジーである赤色発光ダイオードをワイングラス型のガラスで包み込んだオブジェ。

▲Photo credit: Nacása & Partners

倉俣の作品はシュルレアリスムと現代アートの影響を強く受けており、今日の効率性を重視したマーケット志向をもつメインストリームのデザインとは一線を画した、自由な発想による遊び心に満ちたものである。また、一般的な家庭用品であるワイングラスからランプを制作することも、ひとつの挑戦だったという。

今回の復刻は、倉俣の没後30年にあたる2021年に向けて、クラマタデザイン事務所の監修のもと、ギャラリー田村ジョーの企画によりプロジェクトがスタート。

1988年の発売当初は製造に手間や費用がかかり、限られた数量しか流通しなかったが、アンビエンテックは、最先端のLEDテクノロジーを内蔵した薄いダブルウォールガラスの二重構造を採用。防水性があり、長寿命の充電式リチウムイオンバッテリーを搭載している。

▲Photo credit: Hiroshi Iwasaki

▲Photo credit: Hiroshi Iwasaki

展覧会「IN-SPIRATION」には国内外の20組以上の若いクリエイターが招かれ、当時はまだ無名だったロン・アラッドやザハ・ハディドも参加していたという。オープニングパーティでは「SAMBA-M」にシャンパンを注いで赤く点灯させ、ゲストを驚かせたそうだ。

復刻版では、倉俣が30年以上も前にデザインした、この柔らかなタッチの赤い陰影を楽しむことができるだろう。End

▲Photo credit: Hiroshi Iwasaki

▲Photo credit: Hiroshi Iwasaki

▲Photo credit: Hiroshi Iwasaki

▲Photo credit: Hiroshi Iwasaki