シンガポールの美術館ArtScience Museumに
常設のカプセル型VRギャラリーがオープン

シンガポールにある美術館 ArtScience Museum(アートサイエンス・ミュージアム)は、開館10周年を記念して、常設のカプセル型VRギャラリーを2021年7月10日(土)にオープンする。

この展示は「Hyperrealities」と題され、アートプラットフォームを手がけるAcuteArtと共同で制作。展示室には最新のVRヘッドセットとコントローラーが設置されており、オラファー・エリアソンマリーナ・アブラモヴィッチアニッシュ・カプーアという国際的に活躍するアーティスト3名のVRアート作品を楽しめる。

▲オラファー・エリアソン 写真提供:Acute Art

▲マリーナ・アブラモヴィッチ 写真提供:Acute Art

▲アニッシュ・カプーア 写真提供:Acute Art

エリアソンの作品「Rainbow」(2017)は、同氏にとって初のVRアート作品で、そのキャリアを通じて関心を抱き続けてきた自然現象をデジタルに作り出したもの。没入型空間において、訪れた人は降り注ぐ水のシャワーにヴァーチャルに身を浸したり、穏やかな水の音を聴いたり、カラフルな光のプリズムを体験することができる。

▲オラファー・エリアソン「Rainbow」(2017). 写真提供:Acute Art

パフォーマンスアートの第一人者であるアブラモヴィッチの「Rising」(2018)では、気候変動による海面上昇という危機をVR作品として表現。鑑賞者はVRヘッドセットを装着してヴァーチャル空間に入ると、ゆっくりと水で満たされるガラスタンクの中で手招きするアブラモヴィッチと直面、水位が上がると同氏とのインタラクションができるようになるそうだ。

▲マリーナ・アブラモヴィッチ「Rising」(2018) 写真提供:Acute Art

▲マリーナ・アブラモヴィッチ「Rising」(2018) 写真提供:Acute Art

また、カプーア初のVR作品「Into Yourself、Fall」(2018)は、鑑賞者を人体の旅に誘い、VRヘッドセットを介して自分のなかに入る感覚を体験させるものである。こうしたもうひとつの世界で鑑賞者は自分自身を見失い、迷路のような自分の内側にあるさまざまな働きを通じて、めまいのような混沌とした体験を味わうことができる。End

▲アニッシュ・カプーア「Into Yourself, Fall」(2018) 写真提供:Acute Art