NEWS | 建築
2021.06.30 16:30
工学院大学建築学部 鈴木敏彦研究室は、コトブキシーティングと共同で 「ダンボール・スリープカプセル」を開発した。
同製品は、建築家・黒川紀章が設計したカプセルハウスに関する研究を活かしたもの。コロナ禍の災害時の避難環境でも3密を避け、スフィア基準の一人当たりの最低居住空間3.5平米を確保する、強化段ダンボール製の2階建てのスリープカプセルである。
輸送用の通い箱を2つ接続させることで1部屋ができあがる仕組みで、入り口用に大きな丸穴と採光・換気用の小窓を配置。部屋と階段、さらには机と椅子を備えたプライベートスペースで構成されており、2階建てとすることで、ソーシャルディスタンスを確保しつつ多くの人を収容できるようになっている。
鈴木研究室では、東日本大震災を機にダンボールを使った家具や空間をデザイン。「ダンボール・スリープカプセル」では、自治体に試作品を持ち込み、実際の使用をリアルに想定しながら改良を重ねたという。
2021年3月には、群馬県の沼田市役所防災広場での宿泊ワークショップにカプセル4室を出展。実際にカプセルで寝泊まりした体験者は性能と有用性を確認したそうだ。