インドネシアの発酵食品テンペをヒントに
Mycotech Labが素材「マッシュルームレザー」を開発

サスティナブルな素材として昨今注目を集めているのが、菌糸を使ったバイオマテリアルである。

2015年に設立されたインドネシアの企業 Mycotech Labが手がけているのは、同国発祥の発酵食品「テンペ(tempe)」の製造方法にヒントを得た素材。テンペは、大豆を「テンペ菌」と呼ばれる菌で発酵させたものだ。

同社では、キノコには多くの可能性が秘められていて、食べる以外にも活用法があるとしており、さまざまなプロダクトの研究開発を経て、キノコの菌糸を使ったレザーができた。

ファッション業界の活動が地球温暖化につながり、そのなかにはレザー産業も含まれているとするMycotech Lab。同社が手がけるマッシュルームレザーにより、ファッション産業をもっとサスティナブルなものにできるという。

たとえば、動物のレザーであれば環境に負荷をかけることも考えられるが、マッシュルームレザーの場合、約2ヶ月で十分な大きさが育つ。さらに垂直農法を使うことで、大きさも自在に変えられる。

また、製造施設をキノコ農家内に設置し、地元住人の雇用も実現。キノコの扱いにもなれており、製造ラインでの従事にも支障がないそうだ。

廃棄物を原料としており、製造工程で有害な化学物質を使用することもなく、同社では環境負荷をかける製品の代替物になりうるとしている。

先日開催されたParis Fashion Week SS22では、ファッションブランド ダブレット(doublet)の新コレクションに採用された。サステナブルの素材として、今後の活用が期待されているだろう。End

▲©︎Doublet

▲©︎Doublet

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