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2021.06.28 13:29
日本財団は、誰もが快適に使用できる公共トイレを東京都渋谷区内の17カ所に設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」として、2021年6月24日(木)に9カ所目となる建築家・隈研吾デザインの公共トイレの一般利用を開始した。
このトイレは「森のコミチ」と名付けられ、緑豊かな松濤公園に集落のような「トイレの村」をデザインすることがコンセプトとなった。ランダムな角度の耳付きの杉板ルーバーに覆われた5つの小屋は「森のコミチ」で結ばれて、森の中に消えていく設計だ。
多様なニーズ(子育て、身だしなみ配慮、車いす等)にあわせて、村を構成するひとつずつのトイレのプランや備品、内装も異なる。こうしたいろいろな個室を分棟とすることで、ポストコロナの時代にふさわしい、公園に開かれた風通しの良い、通り抜けのできる「公衆トイレの村」ができあがった。
撮影:永禮賢、提供:日本財団
内装に採用したのは、神奈川県相模原市内で生産される木材「さがみはら津久井産材」。
5つのトイレブースには桜やコナラなどが使われており、同市緑区で木製品の加工販売や森づくり事業を進める一般社団法人 さがみ湖 森・モノづくり研究所が提供した。
隈研吾は、「今回様々な候補地がありましたが、一番緑の深い鍋島松濤公園に設計することで、これまでの公共トイレのイメージを払拭できると思い、この場所を選びました。トイレだけでなく、動線となる道も含めて設計しています。建築物に加えて、その周辺の環境など、トータルな体験として捉えていただければと思います」とコメントしている。