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2021.06.29 16:00
ヘルスケアに役立つウェアラブルデバイスが広まっているが、こうしたものとは一線を画すスマートデバイスを、米マサチューセッツ工科大学のコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)がこのほど開発した。
この新しい「タクティカルセンシングカーペット」は、カメラを使わずに人間の姿勢を測定するもので、同研究所は、パーソナライズされたヘルスケアやスマートホーム、あるいはゲーミングに活用できると見込んでいる。
開発したカーペットは、市販の感圧フィルムと導電糸でできているので、コストは低く抑えられるという。そこには9,000を超えるセンサーが内蔵されており、腕や足、胴体とカーペットとの物理的な接触から得た圧力を電気信号に変換するそうだ。
そして、たとえば腕立て伏せをしている人のビデオやこれに対応するヒートマップといった、触覚データと視覚データを同期させて機械学習を実施。視覚データから抽出された姿勢をグラウンドトゥルースデータとし、そこに触覚データが入力され、人間の立体的な姿勢が出力されることになる。
このシステムでは、屈伸運動やひねり運動、歩いたりつま先立ちをしたり、さらにはごろごろと寝転がったりと、人が行っているアクションの種類も97%の確度で分類できたそうだ。
研究チームは、転倒を検知したり、リハビリをモニタリングしたり、移動の有無を確認したりと、リスクの高い人向けのシームレスなヘルスモニタリングステムの実現を目指している。
また、トレーニングする人向けに、触覚データのみから運動の把握、回数の計算、消費カロリーの算出まで可能だとしている。