NEWS | インテリア
2021.06.17 14:35
建築家・長坂常が率いるスキーマ建築計画は、大阪・心斎橋にあるヘアサロン「LIM(リム)」の旗艦店の改修を手がけた。LIMとは、ミース・ファン・デル・ローエが提唱した「Less Is More」に由来するという。
施主からは初心に帰って「Less Is More」な美容室を作りたいとの要望があり、コストを抑えるというのも条件のひとつになったそうだ。
そこで同事務所は、この「Less Is More」を咀嚼し、必要最低限を最大化することを構想。さらに、ローコスト化を図るために、棚などの造作のベースを既成のスチールラックにし、それを改造しながら、仕上げをユニクロメッキに変えて空間を構成した。
美容室に不可欠な鏡はできるだけ大きくし、規則正しく並べた。そして、これらの鏡は、フリーマーケットなどイベント向けにスペースを広く使えるように、片付けて動かせるつくりとした。
くわえて、このスペースは奥に間仕切りを作らず、「LIM」のセカンドブランド「loji(ロジ)」を設けた。これは、若い人が気軽に何度も訪れ、まるでファッションを楽しむようにヘアースタイルを楽しむためのサロンである。
値段も安く設定されており、若いスタイリストにとっての成長の過程にもなるそうで、「loji」を利用していた若い顧客や技術を身につけたスタイリストが、成長して「LIM」に移行していくステップの場所となるとしている。
この「loji」はさらにローコスト化を図り、既成のスチールラックのグリーンをそのまま使用。形もあまり変更せず、既成のパーツをできるだけ使って作られている。