NEWS | 建築
2021.06.10 15:38
英ロンドンの「グリニッジ半島」と呼ばれるエリアでは、「Design District」という建築プロジェクトが進められている。8組の建築スタジオがこの半島の中心部に16の建物を作り、2021年夏からクリエイティブ産業向けにワークスペースを提供するという試みである。
その第1弾として、スペイン・バルセロナの建築ユニット Barozzi Veigaが手がけた施設がこのほど完成した。レイヴェンズボーン大学が新たに開設するクリエイティビティ&テクノロジー研究所として使われる予定だ。
巨大なブロックのようなモノリシックな建築物は、大きな格子状の窓がアシンメトリーに配置されており、光を反射するアルミニウムのファサードや、幾何学的でモダンなデザインが印象的である。
建物は4階建てで、大学院、スタートアップインキュベーター、リサーチラボ、ワークショップが入居。天井は高く、フルハイトの窓からは日光が差し込むという。
屋内はプロトタイピング用のリソースが整ったワークショップやVR/AR向けのラボ、プリント施設などの最新設備を備えており、一度に最大200人の学生・スタッフが活動可能。ホットデスクスペースやミーティングエリア、大学や一般のイベント向けの展示スペースも完備している。
また、Barozzi Veigaによるインダストリアルなカラーパレットやすっきりとした幾何学模様は、イースト・ロンドンのデザインスタジオ Brinkworthが手がけたインテリアにも反映されている。
バーチ合板やパウダーコーティングされたスチール材、リノリウムなど耐久性のある素材を使い、飾り気のない機能性を重視したデザインを採用。その美学はStudio Makgillによるピクセルをイメージしたグラフィックにも表れている。
建物のマクロなレベルからブランドアイデンティティのミクロなレベルまで、クリエイティブなアイデアの実現を目指す熱心な作り手のためのスペースとなっている。