NEWS | フード・食
2021.06.10 16:00
人類は、食事を準備したり調理したりすることで大きな進化を遂げ、社会的で文化的な存在となった。ただ、現代では、キッチンでハイテク調理器具を使うので、ほとんど労力をかけず、すぐに完成させることができる。
そこで、昔の調理プロセスに立ち戻って、現代のユーザーでも天然の食材を手作業で加工できるキッチンツール「ROOTS」を、イスラエル・テルアビブのデザイナー Amalia Shem Tovが手がけた。
このROOTSは、人間と機械のあいだのエモーショナルなつながりやインタラクションにフォーカスしたシリーズ。さまざまなテクノロジーを駆使しながら、古いものと新しいものを結びつけ、現代のキッチンに食事を作るというかつての楽しい体験を創り出すことがねらいだ。
同氏が開発したのは、小麦や穀物、豆類を挽く「石臼」、香辛料やハーブを細かくすりつぶす「すり鉢」と「すりこぎ」、生地を焼いたり食材を温めたりできる「ホットストーン」の3種類。
石臼は中央にネジがついていて、上下の石を締めるとともに挽き方を調整することができる。すり鉢とすりこぎは、現代的なデザインとするために素朴なタイプのものを採用。表面に小石を施すことで摩擦を起こしやすくしているが、腕を直線的に大きく動かすので体を使うという。
また、ホットストーンは、テクノロジーを使って素朴な石を現代のキッチンに合うツールにしたもので、加熱時には食材を置いて調理できる。石と石のあいだに施されたシリコンによって形状を変えることも可能で、立体的にすればパンを焼いたり、料理の保温にも使うことができるそうだ。