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2021.06.03 15:30
建築設計事務所 ヘニング・ラーセンがデンマーク・スカナボー(Skanderborg)にて新しい教会の設計を手がけている。スカナボー教区において教会が建設されるのは実に500年ぶりだそうで、新興住宅街である同市のHøjvangen地区の新しい公共の場となるだろう。
1,500平米の面積を誇る教会は、地域の景観とデンマークの伝統的な建築に配慮しながら、より現代的な教会が体験できるものとなる。宗教儀式だけでなくコミュニティイベントにも使える柔軟なスペースとし、従来の機能を広げる教会の新しい活用を目指しているという。
Højvangen教会には伝統的な教会とは違って身廊や側廊といった明確なものはなく、中央に洗礼盤だけが置かれ、これが森や尖塔、墓地、そして既存の教会の建物を望む空間の中心となる。
室内は広々とした正方形でイベントに合わせて調整でき、壁に角度をつけることで、親密さや開放性に応じて変化をつけることも可能。また、素材にはレンガやオーク材、真鍮などの伝統的なものを使うことで、穏やかで時代を超越した雰囲気を作り出すとともに、教会が何世代にもわたってコミュニティのなかで受け継がれるべきものとなる。
教会のファサードは全面にわたって活用されていて、柱廊のある裏手のファサードには屋根のついた壁龕があり、そこには座席も設けられる。訪れた人や礼拝に来た人はこの場所で、穏やかな気持ちになったり、会話をしたり、自然を眺めたりと静かな時間を過ごすことができる。
波打つようなファサードは時間帯や日光の移り変わりで表情を変えるそうで、戸外の手入れのされた公園と中庭は、野外活動やイベントのためのスペースとして地元住民に提供されるそうだ。