「代々木競技場」や「木村産業研究所」など
7件の建造物が国の重要文化財に指定

▲代々木競技場/写真提供 独立行政法人日本スポーツ振興センター

文化審議会は2021年5月21日(金)、建造物7件を新たに重要文化財に指定することを萩生田光一文部科学大臣に答申した。今後、官報告示をもって国の重要文化財(建造物)に指定される予定だ。

意匠的に優秀なもの、技術的に優秀なものとして、建築家・丹下健三が設計を手がけた、戦後モダニズム建築の代表作である「代々木競技場」(東京都渋谷区)を選出。

戦前の建築からは、歴史的価値の高いものとして、ル・コルビュジエによるモダニズム建築の概念を体現する前川國男設計の「木村産業研究所」(青森県弘前市)、戦前の百貨店としては最大級の規模を誇る「旧松坂屋大阪店(髙島屋東別館)」(大阪府大阪市)、昭和初期の木造校舎で現役小学校でもある「旧西脇尋常高等小学校」(兵庫県西脇市)が選ばれた。

▲木村産業研究所/写真提供 弘前市教育委員会

▲旧松坂屋大阪店(髙島屋東別館)/写真提供 竹中工務店

▲旧西脇尋常高等小学校/写真提供 西脇市

さらに、明治政府が建設を推進した最初期の洋式灯台「御前埼灯台」(静岡県御前崎市)、天台系寺院「長命寺」(滋賀県近江八幡市)も歴史的価値の高いものとの評価を受けた。

また、1954年に国鉄が技術の粋を集めて建設した日本初のプレストレスト・コンクリート橋「第一大戸川橋梁」が、技術的に優秀なもの、学術的価値の高いものとして指定されている。End