NEWS | サイエンス
2021.05.26 16:50
シャープの社内ベンチャー「TEKION LAB」は、冷凍輸送時の蓄冷材として活用できる融点-22℃の「適温蓄冷材」を開発した。
冷凍輸送に使用される従来の保冷材は-30℃付近で凍り始めるものが多いそうで、そのためには-40℃設定の専用凍結庫が必要となる。融点よりも10℃ほど低い温度まで過剰に冷却しなければならず、エネルギーロスが生じていた。
そこで今回開発したのは、-25℃の環境下で凍り始める融点-22℃の適温蓄冷材。冷凍食材の保冷に適している-20℃付近の温度で、保冷対象物を一定時間保つことができる。さらに、-25℃の冷凍倉庫での凍結が可能となり、省エネルギーにもつながるという。
また、-30℃設定の凍結庫では、従来の保冷剤と比較して、凍結させるのにかかる時間を約40%以上短縮。凍結に必要なエネルギーを抑え、CO2排出量の抑制にもなるそうだ。
同社では、現在広く使用されているドライアイスに代わる蓄冷材として、冷凍食品などの冷凍配送向けに活用できるとしている。