▲Image drawing (garden) /(c) DDAA + villageⓇ
第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展では、日本館にて 「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」が2021年5月22日(土)から11月21日(日)まで開催される。
建築家・門脇耕三がキュレーターを務める今回の展示では、使われなくなった日本の木造住宅を古材へと解体してヴェネチアへ運び、現代のマテリアル(単管パイプ、ブルーシート、メッシュシートなど)を加えて新しい姿に再構築する様を披露する。
▲Axonometric drawing of the concept/(c) DDAA + villageⓇ
建築家ばかりではなく、職人や研究者などとも協働して、現場での即興的なクリエーションを交えながら展示を作り上げるとしている。
現代社会の大量消費の問題は、大量のモノが安価に素早く輸送されること、つまり「移動」によって深刻化しているという。そこで、不要になった住宅をあえて「移動」させ、ヴェネチアという異なる文脈で展示することで、ごく一般的な木造住宅の一部だった古材は、これまでとはまったく異なる存在感を発揮することになるのだ。
▲Image drawing (piloti)/(c) DDAA + villageⓇ
▲Image drawing (interior)/(c) DDAA + villageⓇ
▲Japanese house before dismantling/(c) Jan Vranovský
▲Packaged wooden materials/(c) Jan Vranovský
消費のための「移動」から、再生のための「移動」へと視点を切り替える同展は、大量消費にまつわる問題や、建築の持続可能性、新しい建築のあり方にひとつの深い示唆を投げかけるものとなっている。
▲Portrait of Curator Kozo Kadowaki/(c) SHINTO TAKESHI
また、同展に合わせてオープンしている特設サイトでも、画像や動画、データなどから同展を楽しむことができる。
第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館
「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」
- 会期
- 2021年5月22日(土)~11月21日(日)
- 会場
- 日本館(ビエンナーレ会場のジャルディーニ地区内)
- 詳細
- https://www.vba2020.jp/
▲日本庭園 撮影:国際交流基金/2021.5.19 撮影
日本館エントランスに至る通路の途中には、元木大輔(もとぎ・だいすけ)が、木造中古住宅(高見澤邸)の屋根の構造をそのまま使い、その上に柔らかな素材を貼った来館者のための休憩所を制作した。
▲再構築された木造住宅のエレメント(詳細) 撮影:国際交流基金/2021.5.19 撮影
日本館のエントランス部分には、なんども増改築を重ねていたことが特徴であった今回の木造中古住宅(高見澤邸)の外壁を、そこでの生活の痕跡とともに、3D技術やデジタルコラージュなどを用いて再構築した。
▲日本館内部 撮影:国際交流基金/2021.5.19 撮影
日本館内部には、日本から移送された木造中古住宅(高見澤邸)の資材が、その増改築の変遷と居住者の歴史などと共に展示されている。
▲Interior and piloti designed by Jo Nagasaka and Schemata Architects/(c) Schemata Architects
▲Lathed old wood/(c) Schemata Architects
▲Old house converted to screen by Ryoko Iwase and Studio IWASE/(c) Studio IWASE
▲Reconstructed wall by Taichi Sunayama and Toshikatsu Kiuchi/(c) Taichi Sunayama + Toshikatsu Kiuchi
▲Reconstructed stairs by Taichi Sunayama and Toshikatsu Kiuchi/(c) Taichi Sunayama + Toshikatsu Kiuchi
▲Old house converted to bench by Daisuke Motogi and DDAA/(c) DDAA