東京都目黒区のデザインギャラリー LICHTは、プレタポルテブランド「COMME des GARÇONS」のファッションデザイナー川久保玲がデザインを手がけた椅子の展示を2021年5月29日（土）から6月6日（日）まで開催する。

川久保が家具をデザインしていたのは1983年頃から1993年頃までの約10年間。当時、自身のブティックに設置するための最適な家具が見つからなかったため、空間設計の延長として自身で椅子とテーブルをデザインしたのが誕生の発端だといわれている。

もともとスタイリストだった川久保は、撮影のためにイメージした服が見つからなかった際に自ら服を用意したのが服作りのきっかけだというエピソードが知られている。それを踏まえると、家具の制作もごく自然な動機で始まったのかもしれない。

10年間に川久保が発表した家具は40個ほどだそうで、今回はそのうちブリキを使用したシリーズの中から、厳選された3脚の椅子がLICHTの空間に展示される。

各国の美術館にもパーマネントコレクションとして収蔵されている川久保の椅子は、用途を持った家具でありながら、空間を一変させるアートピースであるとも言えるだろう。会場でその独特な佇まいをぜひ体感してみよう。