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2021.05.17 15:45
建築設計事務所 MVRDVは、中国・深圳市龍崗区で進められている複合施設のプロジェクト「Shenzhen Terraces」の建設を開始した。
活気ある大学地区のコアとなるこの複合施設は、アクセス可能なテラスが積み重ねられた外観で、そのなかにさまざまな建物が入居。日陰になるエリアを設けるなど、人々の公共生活が十分に展開できるようになっている。
サステナビリティ重視のデザインで、緑豊かな屋外スペースは劇場や図書館、美術館、会議センター、ショップなどのさまざまな施設と結びつき、集会や学習、レジャー、カルチャー、さらにはリラクゼーションを担うハブとなる。
周囲にそびえる高層タワーと対照的に積み重ねられたテラスは、日陰を作る庇や、風の流れと自然な換気を促す丸みのある形状によってエコロジカルな機能も実現。また、豊かな植栽と水辺により地域の気温を下げ、野生生物の住みかを提供し、庭園と雨水によって食料と水資源をも作り出すという。
テラスの端は傾斜させてフロア間の接続部になるとともに、小さな屋外オーディトリアムを形成。そのほか、ファサードを内側に設けることで、訪れた人にエントランスをわかりやすく強調している。
遊歩道のあいだには、造園会社 Openfabricと共同で、この地域に自生する亜熱帯の天然林を模した植栽を作り、芝生の丘やパブリックアート、リフレクティング・プール、クライミングや卓球のゾーンなどを設置。屋根には太陽光パネルや雨水タンク、アクセス可能な広々とした芝生もあるそうだ。
MVRDVを率いるヴィニー・マースは、「深圳のような都会では、密集した場所に公共スぺースと自然の景観をいかに統合するかを熟慮することが大切です。天候に左右されない涼しい空間を設けることで、エアコンの効いた屋内を避けることができます。暖かい日には学生も屋内から出て外で講義を受ける、立体公園にもなります」と語っている。