建築テック系スタートアップ「VUILD」
デジタル家づくりプラットフォーム「Nesting β」を開発

建築テック系スタートアップ VUILDは、共創型戦略デザインファーム BIOTOPEと協業して、デジタル家づくりプラットフォーム「Nesting β」を開発した。2021年夏の正式ローンチに向けて、β版のサービスをこのほど公開。先行ユーザーの公募も開始し、1年以内に10棟以上の建設を目指している。

VUILDは2019年10月、富山県南砺市利賀村にて地域の伝統構法である合掌造りを現代のデジタル技術でアップデートする「まれびとの家」を構築。3D木材加工機「ShopBot」と地元の木材を使い、製作を地域完結させるなど、長距離輸送や環境負荷、時間、コストを削減する取り組みを行ってきた。

今回の「Nesting β」は「まれびとの家」で培った経験をもとに生まれた家づくりプラットフォームで、ユーザーが自分たちの理想の暮らしを実現できるように、デジタルテクノロジーを用いて快適で環境負荷の少ない住まいを自分たちで設計し、作り出す体験を提供する。

同サービスでは、日本各地のコミュニティホストが提供する敷地の中から好みの土地を選択。書斎やスタジオ、店舗や工房など、理想の暮らしをプランニングしながらアプリで間取りを設計すると、瞬時に家の形が立ち上がる。概算の見積もりを取得でき、予算と要件を確認しながら間取りの調整をすることができる。

さらに、気候風土に合わせて住宅の仕様を決めたり、予算に応じて、設備の種類・断熱材の厚み・建具の性能を決めたりすることで、エコハウスやオフグリッドハウスの建築も可能。地域に設置した3D木材加工機「ShopBot」により、地域の木材から家の部品が出力され、専門家の指導のもと、プラモデル感覚で家づくりを楽しめるそうだ。

Nesting βによる家づくりのプロジェクトでは、北海道弟子屈町にて1棟目となるプロトタイプを9月末に竣工。その後、秋田県五城目町にてコーポラティブヴィレッジを5棟同時建設に建築、個人宅から集落までの実践を行う予定だ。End