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2021.04.21 16:25
中川政七商店は2021年4月14日(水)、同社初の複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング(しかさるきつねびるぢんぐ)」を奈良市元林院町(ならまちエリア)にオープンした。
約126坪の敷地面積に建てられた3階建ての同施設は、建築家・内藤廣が設計。施設内には、旗艦店「中川政七商店 奈良本店」、奈良初出店となる「猿田彦珈琲」、すき焼き店「㐂つね(きつね)」、まちづくりの拠点となるコワーキングスペース「JIRIN(じりん)」を展開する。
また、中庭を通じて行き来ができる築130年の町家には、「旧 遊中川 本店(中川政七商店 奈良本店)」、茶道ブランド「茶論 奈良町店」、蔵を改装したギャラリー「時蔵」および「布蔵」も併設。
「路地を巡り出会う、触れ、学び、味わう奈良」というコンセプトのもと、この場所でしかできない買い物や飲食、ワークショップなど、さまざまな体験型コンテンツを用意するそうだ。
また、建物については、開放的なガラス窓と周囲の街並みを活かした瓦屋根が特徴的で、その中央には、中庭とそこにつながる新たな路地が創られ、古きよき趣が残る「ならまち」の風景に溶け込んだ新たな空間となっている。
内藤廣は、「まず考えたのは、街並・伝統・現代・近未来を建築として表現する、ということです。屋根を瓦葺きにし、通りに面した軒庇を細かく分節化して、ファサードを街並みと違和感がないように作り込んでいます」とコメント。
さらに、「歴史を紡いできたこの街の一角から、近未来を感じ取れるような「今」という背景を生み出すことができたら、と思っています」と語っている。