電通グループがSXSW Online 2021で披露した4作品
コンセプトは「CODE HUMANITY(人間らしさをコードせよ)」

▲food cycle x dentsu 「Hungry Frame(ハングリーフレーム)」

2021年3月にオンラインにて開催されたアメリカのイベント「SXSW Online 2021」。電通クリエーティブX電通は今回、「Partner Programming」に参加し、パートナー企業や大学と共創した4つのプロトタイプ作品を披露した。

今年のコンセプトは「CODE HUMANITY(人間らしさをコードせよ)」。これは、テクノロジーの進化で忘れられがちな「ヒューマニティー」(人間らしさ)にフォーカスし、人の感情や愛情、気持ちに寄り添う「コーディング」(技術開発)を進めていくという考え方だという。

このコンセプトから、motion(人の動き)、wellbeing(幸福)、food cycle(食循環)、weather(天気)という、人間らしさと深く関連する4つのテーマに沿った作品ができあがった。

▲wellbeing x dentsu「Marshmallog(マシュマログ)」
触りたくなるコネクテッド・スクイーズ「マシュマログ」。ジャイロセンサと柔軟な圧力センサによって触り方とタイミングを計測し、音や映像のバイオフィードバックを行うことで、楽しく注意のトレーニングをすることができる。

▲weather x dentsu「SKYPEDIA(スカイペディア)」
雲の形から生き物を生成する「SKYPEDIA」。その雲や空が持つ膨大なデータから、さまざまな気象情報を届け、失いつつある自然環境への興味をテクノロジーによって呼び覚ます。

そのなかでも注目すべきは、ミズアブの力で生態系の食循環を体現する実験装置である、food cycle x dentsu「Hungry Frame(ハングリーフレーム)」だ。

▲food cycle x dentsu 「Hungry Frame(ハングリーフレーム)」

日々の食事の食べ残しには次の食を育てる可能性が秘められており、この装置ではその可能性を引き出すものとして、アメリカミズアブの幼虫の活動に注目。

私たちにとってなかなかなじみにくいミズアブだが、生活のなかで心地よく共生するために、上から「植物」「ミズアブ」「魚」の三層構造の装置を提案。

ミズアブは高速で食べ残しを分解することができ、食べ残しを食べて大きくなった幼虫は下の水槽におちて魚のエサになり、また、この幼虫のフンは肥料になり、上の層の育つ野菜という、半永久的な食の循環を実現する仕組みである。

「Hungry Frame」では、生活空間に溶け込むプロダクトにデザイン。東京大学発のスタートアップやプロジェクトチームをSXSWに派遣・出展させるプロジェクト「Todai To Texas」の採択チームである「Grubin」とともに、食べ残しへの向き合い方のアップデートに取り組んでいる。End

▲motion x dentsu「MOTION DATA LAB(モーションデータラボ)」
モーションデータの可能性を価値に換えていく新たなプラットフォーム「MOTION DATA LAB」。日常的に保存される大量のモーションデータによって、病気のリスク予測、アスリートのパフォーマンス向上、伝統・文化の継承など、さまざまな分野でのイノベーションを目指している。