裏返しにできる軽やかで多層性のある
新しい京提灯「hyouri」

▲Photographer:Hiroshi Iwasaki

京都にて江戸時代中期の創業以来「京提灯」を作り続ける小嶋商店のために、佐藤オオキが率いるデザインオフィス nendoが新しい提灯「hyouri」を手がけた。

▲Photographer:Hiroshi Iwasaki

▲Photographer:Hiroshi Iwasaki

竹割から紙貼りまで一貫して手作業で行われるという伝統的な京提灯。その特長は強度の高さと丈夫さにあるという。そこで今回nendoでは、こうした特長とは真逆の要素である「弱さ」という因子を加え、新たな表現を試みた。

京提灯ではリング状の竹ひごが提灯の「骨」となるそうで、一本の竹ひごを輪に成形し、端部を和紙で固定した後、それらを木型にはめ込んで竹ひご同士を糸で繋いでいく。

この工程に着目して、「hyouri」では竹ひご同士をきつく繋がずに、少し隙間を空けて和紙で留めることで、「関節」のような可動性が実現。ひとつの輪の円周上に8つの関節ができ、提灯を「裏返し」にできるようになっている。

▲Photographer:Hiroshi Iwasaki

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こうして、自身の一部を飲み込んでいるようなものや、3重に入れ子状になっているもの、内部を通過して反対側から顔を覗かせるものなど、10種類の提灯を作成した。

▲Photographer:Hiroshi Iwasaki

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▲Photographer:Hiroshi Iwasaki

屋外で使われることの多い京提灯は、本来は厚めの和紙を使用するが、今回はこのデザインの特徴を活かすために、透過性の高い絹を表面に貼って仕上げており、京提灯のDNAを継承しつつも、その質実剛健な佇まいとはかけ離れた、軽やかで多層性のある提灯ができあがった。End

▲Photographer:Hiroshi Iwasaki

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