大気汚染物質「PM2.5」問題に取り組む
排出された炭素をアップサイクルしたインク「AIR-INK®」

大気汚染物質「PM2.5」は、化石燃料の不完全燃焼から発生するもので、地球温暖化のリスクがCO2より460倍も高く、2.5ミクロンという微粒子なので簡単に吸い込んでしまい、肺などの臓器に深刻な影響を及ぼすことが問題となっている。

また、私たちが身の回りで見かける黒い物質は、化石燃料を燃焼させて作られる「カーボンブラック」でできており、その製造工程からはPM2.5が生じていると考えられるのだ。

こうした課題を解決するため、MITメディアラボ発のスタートアップ企業 Graviky Labsは排出された炭素をアップサイクルしたインク「AIR-INK®」を手がけている。

カーボンネガティブなインクを作るだけでなく、ゴムやコーティング、プラスチック、建材などに使用することで、従来のブラックカーボンに代わる素材を提供することを目指している。

その製造方法は、排出される炭素を収集し、有害物質を取り除き、生成された使用可能な炭素をインクにするそうだ。

現在は、パッケージ用インク、シルクスクリーン用インク、筆記具用インクの3種類を展開。デルのパッケージやマスターカードのクレジットカードにも採用されているほか、ウォールアートや街の広告などアーティストも活用している。End