チームラボ、岡山の旧醤油蔵で新作を発表
「引き込み現象」を起こす2つの作品が公開

旧醤油蔵の共鳴する浮遊ランプ / Floating Lamps in Spontaneous Order – the Old Soy Sauce Storehouses
teamLab, 2021, Interactive Installation, Murano Glass, LED, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

チームラボは、明治時代に岡山県岡山市に建てられた旧醤油蔵「福岡醤油ギャラリー」にて、新たなアート作品を展示する「Teamlab: Tea Time in the Soy Sauce Storehouse」を2021年4月15日(木)にオープンする。

この建物はかつて醤油製造に使われており、地下は漆黒の液体が貯蔵されていたという。今回の展示では、この場所を当時と同じように黒い液体で満たし、四方に無限に広がる茶室とした。

この全面に広がる水の上には「浮遊するランプ」があり、それぞれが自律して、さまざまなリズムで明滅する。ランプは人が押して倒れても立ち上がり、そのとき音色を響かせ輝き、そのランプが本来持っていたリズムに戻ってしまう。

一方、このランプの近くには「共鳴する茶」があり、一服の茶を点てると、茶は音色を響かせ光を灯し、さまざまなリズムで明滅をはじめる。茶は持ち上げると音色を響かせ輝き、その茶が本来持っていたリズムに戻ってしまう。

共鳴する茶 / Tea in Spontaneous Order
teamLab, 2021, Interactive Installation, Endless, Sound: teamLab

また、これら2つの作品は、そのリズムが周囲に新たな影響を与えながら「引き込み現象」を起こし、時間が経つとともに明滅がそろったり波打ったりするのだ。

引き込み現象とは、異なるリズムが互いに影響を受けてそろっていくこと。個々が全体を俯瞰する能力を持たないにもかかわらず、個々の自律的な振る舞いの結果として秩序を持つ大きな構造を作り出す現象で、自己組織化や自発的秩序形成ともいえるものである。

「茶の本」(1906)の著者である岡倉天心(1863-1913)は、最期の手紙のなかで「私は宇宙と全くうまくやっており、宇宙からこの頃与えられるものに対して感謝、そう大変感謝しております」と語ったという。チームラボの作品も、「自他一体の境地」「人間と自然との究極的な合一」を目指したであろう、茶の時間を思わせるものとなっている。End

Teamlab: Tea Time in the Soy Sauce Storehouse

会期
2021年4月15日(木)~2022年3月31日(木)
10:00~17:00(最終入場 16:30)
休館日
毎週水曜日
会場
福岡醤油ギャラリー
詳細
https://www.teamlab.art/jp/e/teatime/