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2021.03.15 14:45
凸版印刷は、曲率半径1mmで100万回屈曲可能な高可撓性/高耐久性と高キャリア移動度を兼ね備えた、新規構造フレキシブル薄膜トランジスタ(Thin-film-transistor、TFT)の開発に世界で初めて成功した。
近年、折りたたみ式スマートフォンなどに利用されているフレキシブルエレクトロニクスは、ウエアラブルセンサや遠隔患者モニタリングなどの医療機器、スマートパッケージ、電子テキスタイルといった消費者向け製品など、幅広い用途で開発が期待されているという。
フレキシブルエレクトロニクスとしてのTFTは、可撓性や軽量性などの点から有機TFTが有力とされるが、キャリア移動度が低く、信頼性や耐久性に劣るなど、多くの課題が残されているという。
また、シリコン系や酸化物の半導体からなる無機TFTは、キャリア移動度が高く、量産工程も確立しているが、可撓性には改善の余地があるそうで、キャリア移動度と可撓性、耐久性すべての特性を満たすTFTの開発が求められているそうだ。
そこで、同社による開発品は、曲率半径1mmで100万回折り曲げ可能な高可撓性と高耐久性だけでなく、キャリア移動度は10cm2/Vs以上で、電源On/Off比107以上など、実用的な特性を備えているのが特徴だ。
同社では、これらの特性をさらに向上させるとともに、これらの特性を活用したフレキシブルセンサの実現とその用途開拓を目指している。