リコー、現実空間に全方位映像を映し出す
投影装置とブランド「WARPE」を発足

リコーはこのほど、現実空間に全方位映像を映し出すことができる投影装置を開発したことを発表した。

この装置は、真下から上に向けて光を投射し、同社が独自開発した特殊な回転スクリーンにこれを当てることで、光の残像による立体映像が表示できるようになるというもの。

現在開発中のものでは、人の頭のサイズ(直径200mm・高さ250mm)での立体映像のカラー動画表示を実現。これまでのように、特殊な眼鏡や専用のヘッドセットで立体映像を見るのではなく、全方位から裸眼で立体映像を見ることができる。

同社はまずデジタルサイネージ用途を検討しており、2021年3月から「WARPE」(ワープイー)ブランドを立ち上げて、ビジネスパートナーを募集。

コロナ禍によりEC化が急速に進んだことで、展示スペースなどのリアルな場所は、集客力向上のための新たな価値創出が課題となっている。そこで、デジタルと融合した「体験を提供する場」の構築に貢献することが、このプロジェクトの目標だという。

また今後は、2021年度中に試作機による実証実験や試験的な稼働を開始。2022年度中の実用化を目指している。

将来的には、立体映像によるリモート会議、立体構造物のシミュレーションやモデリング支援、教育分野における立体構造把握支援、エンターテインメント、家庭用バーチャルアシスタントなど、幅広い用途での活用を考えているそうだ。End