2020毎日デザイン賞
建築家・堀部安嗣の「立ち去りがたい建築」に決定

▲堀部安嗣

デザインの全分野において傑出した成果に贈られる毎日新聞社主催の「2020毎日デザイン賞」は、建築家・堀部安嗣の「立ち去りがたい建築」に決定した。

堀部は住宅建築の第一人者として、1995年のデビュー作「南の家」や「ある町医者の記念館」、そして近年の代表作「竹林寺納骨堂」に至るまで、建築が本来もつ基本的な役割と心を落ち着けるたたずまいを一貫して追求してきた。

▲ある町医者の記念館(1995)

▲竹林寺納骨堂(2013) 撮影 Ken’ichi Suzuki

今回の受賞では、同氏の作品に共通する「居心地のよい空間」や「人の確かな居場所」といったデザイン力が高く評価された。

▲客船「ガンツウ」(2017)

大貫卓也、岡﨑乾二郎、岸和郎、深澤直人、面出薫で構成された選考委員会では、コロナ禍において改めてパーソナルな「居心地のよい場所」が見直されているという声が相次いだという。

岸和郎は、「どこか時代の流れを超越したような雰囲気を漂わせる堀部安嗣の空間は、そんな2020年の時間の中での救いだったのではないかと考える」と講評している。End