岡山県真庭市は、建築家・隈研吾が設計し、東京・晴海に建設された「CLTパビリオン」を同市にある国立公園蒜山に移築し、新たな観光文化発信拠点として生まれ変わらせる「蒜山⇔晴海プロジェクト」を進めている。

同市は阪急阪神百貨店と共同で、「自然共生」をテーマにしたサステナブルブランド「GREENable」を設立。

2021年７月のオープンを目指して「真庭市蒜山観光文化発信拠点施設」の建設工事を行っており、このほど同施設の愛称を「GREENable HIRUZEN（グリーナブルヒルゼン）」に決定したと発表した。

これに合わせて、同施設における象徴的建築物である「CLTパビリオン」の愛称の世界公募を開始した。これまでのコンクリートの建築とちがって、木造の建物は移築可能であり、脱炭素・サステナブルな建築として、そして都市と地方との資源・文化の交流を表すものとして、ブランドの象徴になるという。

このパビリオン棟は、木の葉をイメージしたCLTパネルと鉄骨を組み合わせ、スパイラル状に空へ向かって舞い上がるイメージで建てられたもの。光を取り入れつつ雨風を防ぐため、CLTのパネルどうしの隙間を超高透過なテフカ（高機能フッ素樹脂フィルム）でできた凧のような形状の膜でふさぎ、森の木漏れ日のような光の状態を作り出している。

CLTは岡山県真庭市産材のヒノキを材料としており、東京・晴海から再び真庭の国立公園蒜山に運ばれて、緑のなかに再築されるという。蒜山に「里帰り」するパビリオン棟の、分かりやすく呼びやすい愛称が求められている。