大正・昭和初期のクリエイティブ集団「我楽他宗」に迫る
展覧会「我楽他宗 ——民藝とモダンデザイナーの集まり」

多摩美術大学は、展覧会「我楽他宗 ——民藝とモダンデザイナーの集まり」を、2021年2月25日(木)から3月6日(土)まで、同大学八王子キャンパス内アートテーク・ギャラリーにて開催する。

三田平凡寺(みたへいぼんじ、1876-1960)が率いた「我楽他宗(がらくたしゅう)」は、 大正期から昭和初期にかけて活動した、収集好きで自身の「趣味」を追求する国際的なクリエイティブ集団。

▲機関誌『趣味と平凡』第1-5号 1920-1921年 ⒸPrivate Collection

▲平凡寺画《追儺宝船》楽天山久快寺施版 堺別院創設記念 1928年 ⒸPrivate Collection

三田は、心を惹かれてしまった何の役にも立たない無用の「もの」たちを集めることが人生そのものとなる「ガラクタ」蒐集をきわめ、自身を「大本山趣味山平凡寺」とする「我楽他宗」を開創した。

▲河村目呂二の猫 ⒸPrivate Collection

そこで重視されていたのは、それぞれ固有の「趣味」への徹底性と平等性(平凡性)。「趣味」をきわめることに身分や性別、国籍などは関係なく、「もの」とともに我を忘れて遊び戯れることだけが必要とされた。

▲ステファン・ルビエンスキー《無題》(『趣味と平凡』第11-13号)1922年 ⒸPrivate Collection

メンバーは、版画家の板祐生、彫刻家の河村目呂二と画家でデザイナーの妻ゆきの、ポーランド人芸術家 ステファン・ルビエンスキー、インド人陶芸家のグルチャラン・シング、チェコ出身の建築家 アントニン・レーモンド夫妻などで構成。

▲上戸下戸遊和新年会 1921年 ⒸDelhi Blue Pottery Trust

国や文化を越境して新たな時代へ影響をおよぼしたアーティストやデザイナーらが、日本における伝統とモダン、歴史、宗教など多岐にわたって議論を交わし、雑誌を刊行するなど、ダイナミックかつクリエイティブな活動を行ったという。

▲趣味山平凡寺夜の本堂 1921年 ⒸDelhi Blue Pottery Trust

同展では、メンバーが収集した趣味品や当時の活動を記録した資料など、約150点を展示。「我楽他宗」が東西の多層的な文化接触をもたらし、国際的かつ芸術的なネットワークであった側面に光をあてる、初めての試みとなるそうだ。End

展覧会「我楽他宗 ——民藝とモダンデザイナーの集まり」

会期
2021年2月25日(木)~3月6日(土)
10:00~17:00
休館日
日曜日(2月28日)
会場
多摩美術大学アートテーク・ギャラリー2F
詳細
https://www2.tamabi.ac.jp/iaa/garakutashu_iaa_exhibition/