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2021.01.22 16:40
イギリスと日本のあいだで、使われなくなった原子力発電施設や核融合実験施設の廃炉やエネルギーの生産を目的とした自動化技術について、研究・開発を共同で進めることが決まったそうだ。
英国原子力産業協会(NIA)などによると、1200万ポンド(約17億円)をかけて日英で「LongOps」と呼ばれるロボットプロジェクトを推進するそうで、英国研究技術革新機構(UKRI)および原子力廃止措置機関(NDA)、そして東京電力が出資するという。
このプロジェクトでは、長いロボットアームを開発・使用して、東京電力の福島第一原子力発電所と、2003年に運転を終えた英国の原子力発電施設「セラフィールド」において、迅速かつ安全な廃炉を実現することを目指している。
実際、既存の原子力施設や核融合施設の廃炉は、複雑で大規模なプロジェクトであるので、効率的かつ安全にやり遂げるには時間がかかることになる。そこで、この分野における新しいロボットとデジタルツインの開発が求められている。
今回は3者が協力し、英国原子力公社(UKAEA)の「遠隔保守に関する研究センター(RACE)」が「LongOps」を主導。計画を立案しながら、幅広い可能性も秘めた新しいロボットを提供することにしている。
「LongOps」では、高度なデジタルツイン技術を導入することで、リアルとバーチャルを結びながらデータの詳細な分析を行い、想定される保守や運用上の問題点を予測できるようになる。一方、RACEは遠隔操作時の機械の動きをリアルタイムで知ることができる。
「LongOps」では、欧州トーラス共同研究施設(JET)などの核融合施設が耐用年数を超えたときのアップグレードや保守、解体でも使えるロボットの開発が求められており、さらには他分野でのロボットの商用利用も見据えているようだ。