オラファー・エリアソンの新パブリックアート
ダイナミックな視覚体験をもたらす「Atmospheric wave wall」

▲Olafur Eliasson, Atmospheric wave wall, 2020,
Powder coated steel, stainless steel, aluminum
Installation view: Willis Tower, Chicago, Photo: Darris Lee Harris
Commissioned by EQ Office, © 2020 Olafur Eliasson

アメリカの不動産投資会社 EQ Officeはこのほど、アーティストのオラファー・エリアソンがシカゴで手がけた常設のパブリックアートインスタレーション「Atmospheric wave wall」を公開した。

この作品は、シカゴのダウンタウン中心部にある高層オフィスビル「Willis Tower」の1階壁面に登場。街ゆく人がだれでも気軽に楽しめる野外アート作品である。

▲Olafur Eliasson, Atmospheric wave wall, 2020,Powder coated steel, stainless steel, aluminum
Installation view: Willis Tower, Chicago, Photo: Darris Lee Harris
Commissioned by EQ Office, © 2020 Olafur Eliasson

▲Olafur Eliasson, Atmospheric wave wall, 2020,
Powder coated steel, stainless steel, aluminum
Installation view: Willis Tower, Chicago, Photo: Darris Lee Harris
Commissioned by EQ Office, © 2020 Olafur Eliasson

▲Olafur Eliasson, Atmospheric wave wall, 2020,
Powder coated steel, stainless steel, aluminum
Installation view: Willis Tower, Chicago, Photo: Darris Lee Harris
Commissioned by EQ Office, © 2020 Olafur Eliasson

エリアソンは、地球の環境や気候、人間と自然の関係を主なテーマとして作品づくりをしてきた。2019年には国連開発計画の親善大使にも任命され、再生可能エネルギー問題や気候変動対策に取り組んでいる。こうした彼の活動にEQ Officeが共感し、今回のコラボレーションが実現。

「Atmospheric wave wall」は、車や自転車、あるいは徒歩でその前を通り過ぎる人々にダイナミックな視覚体験をもたらす作品で、地球の動きや太陽との関係、季節や天気の変化によってその表情はさまざまに変化するという。

▲Olafur Eliasson, Atmospheric wave wall, 2020,
Powder coated steel, stainless steel, aluminum
Installation view: Willis Tower, Chicago, Photo: Darris Lee Harris
Commissioned by EQ Office, © 2020 Olafur Eliasson

▲Olafur Eliasson, Atmospheric wave wall, 2020,
Powder coated steel, stainless steel, aluminum
Installation view: Willis Tower, Chicago, Photo: Darris Lee Harris
Commissioned by EQ Office, © 2020 Olafur Eliasson

▲Olafur Eliasson, Atmospheric wave wall, 2020,
Powder coated steel, stainless steel, aluminum
Installation view: Willis Tower, Chicago, Photo: Darris Lee Harris
Commissioned by EQ Office, © 2020 Olafur Eliasson

大きさは30×60フィート(およそ9×18m)で、1963枚の金属製タイルは球体の内側のようにくぼんだカーブをしている。ブルーやディープグリーン、ホワイトといったカラーは、近くのミシガン湖とシカゴ川の水面をイメージした。

▲Olafur Eliasson, Atmospheric wave wall, 2020,
Powder coated steel, stainless steel, aluminum
Installation view: Willis Tower, Chicago, Photo: Darris Lee Harris
Commissioned by EQ Office, © 2020 Olafur Eliasson

パウダーコーティングされたタイルに太陽の光が当たることで、凹面には影ができ、日が進むにつれてその姿を変化させることになる。また、夜には作品の背後からライトアップされるので、タイルの隙間から光があふれるそうだ。

▲Olafur Eliasson, Atmospheric wave wall, 2020,
Powder coated steel, stainless steel, aluminum
Installation view: Willis Tower, Chicago, Photo: Darris Lee Harris
Commissioned by EQ Office, © 2020 Olafur Eliasson

エリアソンは、「波立つミシガン湖の水面という予測不可能な天候をヒントにした作品で、見る人の位置や時間帯、見る時期によって変化するように見えるでしょう。私たちが視点を変えることで、私たちが見るものには違いが生まれます。このことは、私たちが現実を変えることができるという認識に向けた重要な一歩となるものです」とコメント。

▲Olafur Eliasson, Atmospheric wave wall, 2020,
Powder coated steel, stainless steel, aluminum
Installation view: Willis Tower, Chicago, Photo: Darris Lee Harris
Commissioned by EQ Office, © 2020 Olafur Eliasson

さらに、「私の願いは、こうしたささやかな作品を公共スペースに飾ることで、私たちの周りにあるさまざまな活動や目に見えない相互作用、細かな変動が浮き彫りになり、建築や地域コミュニティにポジティブな貢献をもたらすことにあります」と語っている。End