NEWS | 建築
2021.01.07 16:55
Zaha Hadid ArchitectsとLeigh&Orangeによる、⾹港科技⼤学(HKUST)の新しい学⽣寮のデザインが発表された。
1991年に創立したHKUSTは、アジアのみならず世界でもトップクラスにランキングされる研究大学。そこで同大学では、Clear Water Bay(清⽔湾)キャンパス内に新しい学生寮の設置を検討。2023年に完成する予定で、今回の設計案では1,500⼈以上の学⽣に住まいを提供する。
キャンパスの南東に位置する寮の敷地は、高低差がおよそ25mもある傾斜地で、建物の屋根部分はメイン通路として使われる。学⽣やスタッフが休憩したり集まったりできる日よけのある屋外エリアも設けられる。また、この通路により、キャンパス北側の研究エリアと南側の住居エリアを迂回せずに行き来することができる。
建物は六⾓形なっており、傾斜地に沿って段々になった4つの中庭を設置。すべての部屋がオープンスペースに⾯しており、約35,500平米の施設には⽣活、学習、レクリエーション、レジャー向けの共有エリアも備えている。
エリアは3つに分かれており、27名を収容するY字の建物は、学習エリア、リラクゼーションラウンジ、キッチンを完備。36名を収容するV字の建物にはダブルハイトのリビングスペースがあり、上階に学習ラウンジと下階にダイニングキッチンを用意。
また、線形の建物は18名用で、パーティションで分割可能なキッチンを備えたオープンプランのリビングエリアもある。
ビルディングインフォメーションモデリング(BIM)と3Dシミュレーションを採用することで、設計と材料選択を最適化し、非常に効率的な材料調達と建設を目指した。建設にかかる時間と廃棄物を削減しながら建築の質を向上させる⾹港政府のイニシアチブに沿って、建物のモジュラーシステムには、現場ですぐに設置できる組⽴済みのファサードユニットと洗⾯所ポッドも採用。
このファサードユニットには、70mmの断熱層と低シェーディング係数を誇る⼆重窓を組み込んだ。さらに、太陽の軌道や熱利得をデジタルマッピングで評価し、ファサードユニットの窓の上に配置されたソーラーシェーディングフィンの形状を決定。フィンの形状は各ファサードユニットの太陽光への露出と屋内空間のプログラムに応じて深さと⻑さを変更している。