三菱鉛筆とおしぼりを軸とした事業を展開するFSXはこのほど、生活環境に優しく、耐熱性を兼ね備え、なおかつ汎用性の高い抗ウイルス樹脂素材の共同開発（特許出願中）に成功したことを発表した。

ウイルスなどを除去したい場合、強力な殺菌剤や殺ウイルス剤が使われることもあるだろう。しかし、この方法では、変異した薬剤耐性菌や薬剤耐性ウイルスを生み出し、人に対する副作用を誘発してしまう課題があるそうだ。

そこでFSXでは、2012年に、遷移金属元素の酸化物クラスターであるPolyoxometalates（ポリ酸）を主成分とした、耐性株を誘導しない抗菌・抗ウイルス活性物質「VB」（特許第6739772号）を開発。その技術を同社が手がける衛生用品であるおしぼりに応用してきたという。

そして、今回の共同開発では、今まで液体であった「VB」を安定して樹脂化させることに成功。インフルエンザウイルス、新型コロナウイルス、エンベロープを持たないノロウイルスなど、数種のウイルス構成タンパク質との高い結合親和性も確認できたそうで、その抗ウイルス効果から、さまざまな生活用品での適応性や汎用性がありうるとしている。