バンコクのチュラロンコン大学の
新しい図書館のあり方を示す「建築図書館」

▲Photo credit: W Workspace

ライフスタイルの変化やインターネットの普及によって「読書離れ」が進むなか、未来の図書館はまだ読書スペースを備えた従来の姿をとどめているだろうか。それとも物理的な空間を必要としないものになるのだろうか。

▲広場から見た図書館のファサード Photo credit: W Workspace

▲庭園から見た図書館のファサード Photo credit: W Workspace

タイ・バンコクのチュラロンコン大学に2019年に完成した「建築図書館(Architecture Library)」は、これからの図書館のあり方を示すプロジェクトである。

▲エントランス Photo credit: W Workspace

同国の建築スタジオ Department of ARCHITECTUREが設計したこの施設は、とりわけ建築学科における「図書館」という学習スペースを再考することを目指したものだという。つまりそれは、本を読む場所であることを越えて、建築を学ぶ学生のためのクリエイティブなインキュベーターとなるものだ。

▲雑誌のディスプレイにもなるグリッドシステム Photo credit: W Workspace

▲学生の作品を展示している Photo credit: W Workspace

そこにはコワーキングスペースや展示スペース、さまざまなプログラムが共同作業スペース、展示スペース、議論を交わすための簡易の講義スペースがあり、本だけでなく、デジタルメディア、映像資料、展示なども提供。

▲グリッドシステムのなかを通る通路 Photo credit: W Workspace

▲マガジンラックになるグリッドシステム Photo credit: W Workspace

低層階にあるコワーキングスペースを備えた3Dグリッドシステムは、学生が展覧会やイベントを行ったり、作品を吊るしたり、固定したり、挿入したりできるオープンエンドのプラットフォームとなる。

▲コワーキングスペース/展示スペース Photo credit: W Workspace

▲マガジンラックになるグリッドシステム Photo credit: W Workspace

▲回転式のマガジンボックス Photo credit: W Workspace

一方、本や雑誌が置かれた書架は、背表紙が並ぶ通常の配置だけでなく、表紙をこちら側に向けて書籍を飾ることができ、訪れた人が手に取って読みたくなる仕掛けとなっている。

▲書架 Photo credit: W Workspace

▲読書エリア Photo credit: W Workspace

▲司書カウンターと新着図書コーナー Photo credit: W Workspace

▲本のサイズに合わせて図書をディスプレイ Photo credit: W Workspace

また、集中するための静かなエリアも設けており、個人用のブースは複雑に配置することで周囲の人の動きを最小限に抑える。その天井は鏡張りにすることで、明るさももたらしている。

▲クワイエットゾーンからは廊下は緑に Photo credit: W Workspace

▲クワイエットゾーンのホワイエ Photo credit: W Workspace

▲迷路のようなクワイエットゾーン Photo credit: W Workspace

▲天井に映った迷路状のブース Photo credit: W Workspace

最上階にある階段状のフロアは読書エリアだが、クッションの置き方がアレンジでき、講義や上映を行うオーディトリアムとしても利用可能。その天井にはプミポン国王の記念碑があしらわれているが、これはバンコクに多大な影響を与え、都市計画に関するユニークな考えをもった国王を、都市プロジェクトを通じて称えるものだそうだ。End

▲天井には国王が主導した都市プロジェクトがあしらわれている Photo credit: W Workspace

▲中二階のマットレスエリア Photo credit: W Workspace

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