思考実験とプロトタイピングを通して「ありうる都市」を探求するリサーチチーム「METACITY」は、新プロジェクト「多層都市『幕張市』」を展開している。2020年12⽉20⽇（⽇）から2021年1⽉31⽇（⽇）までは、プロジェクトの創立記念展を、千葉市の幕張ベイパーク周辺施設およびオンラインにて開催する。

「幕張市」は現実には存在しないが、多くの人によってさもあるかのように信じられている架空の都市である。この場所において、ステークホルダーとされるさまざまな人々やレイヤーによって織り成される都市の様相を、それぞれが意思を持って想像し思索するとしたら、その「多層都市」はどんな街で、それぞれがどんなつながりをもつものとして立ち上がるだろうか。

こうした視点から考える「幕張市」プロジェクトは、世界で提案されている新たな投票システムの検証やオンライン上の祝祭性を⾼める⽅法の探索など、都市OSに必要な基本機能のアップデートや代替⽅法を探求していく活動である。

都市の多くは、老朽化した社会インフラの管理や増大する社会福祉など現状維持に多くのリソースを割き、進化の袋小路に陥っているようにも見える。そこでこのプロジェクトでは、物理的・制度的にも制約されない「幕張市」において、都市のプリミティブな機能にフォーカスすることがねらいである。

とりわけ、次世代を育む社会インフラとしての「⽂化」を⽣み出す機能や構造に着⽬し、研究者やアーティストなどとともに活動を開始。期間中は、パブリックアート展⽰やオンラインカンファレンス、ワークショップなど、さまざまなイベントを展開する予定だ。