日本のわさびを救う
JR東日本沿線の湧水を活用して「鉄道わさび」を栽培

JR東日本スタートアップと、日本の湧水資源を活用したわさび栽培の事業化を進めるグリーンインパクトは、JR東日本沿線の湧水を活用し「鉄道わさび」栽培の実証実験を開始することを発表した。栽培地近辺では、飲食店での料理提供や加工・流通についての実証を行うことも合わせて発表された。

▲写真は試験栽培時のもの

トンネル湧水はミネラル分が豊富とされ、年間を通じて水温も低く、わさび栽培に適しているという。そこで今回は、新潟県湯沢町にあるリゾート施設「GALA湯沢」にて、スキー場の下を走る上越新幹線のトンネル湧水を利用した栽培実証実験を実施。

育成が成功したわさびはGALA湯沢スキー場内のレストランに提供され、将来的には「GALAブランドわさび」として特産品ブランド化やグループ会社への提供などを進め、6次産業化を目指している。

また、湧水量や水温などに恵まれていない千葉エリアでは、県内有数の湧水量を誇る千葉県君津市久留里地区にて実証実験を実施。わさびが収穫できたときには、JR東日本の直営ホテルであるホテルファミリーオ館山内のレストラン「BUONO(ボーノ)」にて、限定メニューとして2021年3月に販売される予定だ。

国産のわさびは、気候温暖化に伴うわさび田の水温上昇、干ばつ傾向の深刻化などで、生育環境が年々悪化しており、この10年ほどは収量が右肩下がりだという。とはいえ、国産のわさびは世界的な和食ブームにより、世界的に需要が高まっているともされる。

そこで同社は、JR東日本の沿線で豊富に湧き出す湧水を活用して、わさび栽培および流通や加工の実証実験を行い、「鉄道わさび」栽培のビジネス化を検証し、地域の活性化を目指している。End