NEWS | テクノロジー
2020.12.18 17:36
アスリートがこれまで以上のパフォーマンスを実現するためには、まずその限界を客観的に把握し、そのうえで限界を克服しようとすることが求められるという。
こうした活動をサポートするために、シンガポール国立大学の研究チームは、フィールド上にいるアスリートの姿勢や走り方、体温などの生理データを測定する、ワイヤレスのスマートウェアを開発した。
従来のフィットネス用のウェアラブルデバイスはコンパクトで軽量だが、特定のポイントからしかデータを収集できず、アスリートにとって役に立つ情報を得るのは不十分である。
また、高性能の医療用モニタリング装置は、さまざまなセンサーを使うので多くのポイントからデータを収集できるものの、コードがたくさんついており、屋外では使用しづらいものだ。
そこでこの研究チームは、導電糸を縫い付けてクモの巣状のパターンを作成。ウェアから1m以内にあるスマートフォンから電磁信号を介して全身にあるセンサーの電力を供給、データを収集することができる。かさばるバッテリーも不要となる。
現行のプロトタイプでは、スマートフォン1台で最大6つのセンサーのサポートが可能。とりわけしっかりとした運動姿勢の習得に欠かせない脊椎姿勢の測定には、複数のポイントからデータを収集することが必要で、以前は困難とされていたリアルタイムのモニタリングもこのウェアを使うことで可能になるとしている。