夜の遊園地がメディアアートの美術館に変貌
山口県宇部市の「TOKIWA ファンタジア 2020」

▲撮影:村上美都

山口県宇部市にある「ときわ遊園地」では、毎年市民の参加によるイルミネーションイベント「TOKIWAファンタジア」が開催されているが、今年は、2021年1月31日(日)まで「TOKIWA ファンタジア 2020」と題し、宇部市制施行100周年を控え、今回が初の試みとなる、メディアアート作品で夜の遊園地に彩り加える企画が催されている。

本イベントのキュレーションはBEPPU PROJECT山出淳也が担当。参加するアーティストは、クワクボリョウタ、髙橋匡太、plaplax、三谷正、ミラーボーラーの5組。全6作品が遊園地内の各所に仕掛けられている。 クワクボリョウタの作品「残像」は、光の軌跡で江戸時代に発明された「南蛮車(なんば)」の動きを再現する。光と影をテーマに作品を作ってきたクワクボリョウタが手がけたこの作品は、フランスのアーティストRémi Brun の技法「バイオロジカルモーション」を活用し、リアルに「南蛮車」の動きを再現して、炭鉱の歴史の光と影を表現する。

▲作品:『残像』 撮影:谷 康弘

▲アーティスト:クワクボリョウタ photo by courtesy of New Indian Express

髙橋匡太は、「たてもののおしばい 観覧車と呪われた城」と「カオハメ・ザ・ワールド in ときわ遊園地」の2作品を展示している。「たてもののおしばい 観覧車と呪われた城」は、遊園地の建物と観覧車を擬人化した作品。しゃべる遊具たちは、毎晩遊園地で壮大なお芝居を上演する。

▲作品:『たてもののおしばい 観覧車と呪われた城』 撮影:村上 美都

▲作品:『たてもののおしばい 観覧車と呪われた城』 撮影:村上 美都

▲作品:『たてもののおしばい 観覧車と呪われた城』 撮影:谷 康弘

「カオハメ・ザ・ワールド in ときわ遊園地」は参加型の作品で、カオハメ看板に顔を入れると、参加者の顔が気球に映される仕組みだ。

▲作品:『カオハメ・ザ・ワールド in ときわ遊園地』 撮影:谷 康弘

▲アーティスト:髙橋匡太

plaplaxが手がける「The Great EscApe」は、ときわ遊園地内に隣接する動物園で大人気の「サル」をテーマにした映像作品。サーチライトで脱走するサルたちを照らしたり、本物のようなサルの鳴き声が聞こえるといった仕掛けで、「サルの楽園」が実現した。

▲作品:『The Great EscApe』 撮影:谷 康弘

▲作品:『The Great EscApe』 撮影:谷 康弘

▲作品:『The Great EscApe』 撮影:谷 康弘

▲アーティスト:plaplax

映像制作技術、光と音楽をベースに空間演出に精力してきた三谷正の作品「UbeCube 1.0」は、大規模なキューブ状の構築物である。遊園地の芝生広場に、キューブと映像技術を融合させた独立の空間が立ち上げられ、その中には、万華鏡のように、光と音に包まれる幻想的な時間を過ごせる空間になっている。

▲作品:『UbeCube 1.0』 撮影:谷 康弘

▲調整中

▲アーティスト:三谷正

光と反射の空間作品をミラーボールを使っ て創り出すアート集団ミラーボーラーは「宇宙」をテーマに幻想的な作品「Close Encounter 369」を作り上げた。UFOのようなミラーボールからは、光と色彩が放たれ、それらはこのイルミネーションイベントをより一層煌めかせる。

▲作品:『Close Encounter 369』 撮影:谷 康弘

▲作品:『Close Encounter 369』 撮影:谷 康弘

▲作品:『Close Encounter 369』 撮影:谷 康弘

今冬、これらのメディアアート作品が、夜の「ときわ公園地」をユニークで幻想的な美術館に変貌させる。End

TOKIWA ファンタジア 2020

会期
2020年11月29日(日)~2021年1月31日(日) 18:00~21:30(17:30開場) ※12/31(木)・1/1(金)は休園
会場
ときわ遊園地(山口県宇部市則貞3-4-1)
入場料金
1,000円 ※高校生以下無料
イベント詳細
https://tokiwa-fantasia2020.com