計画都市「プラノピロット」を再解釈
ブラジリアのテクノロジー&イノベーション地区「BIOTIC」

ブラジルの首都ブラジリアでは、1,000万平方フィート(約93万平米)のテクノロジー・イノベーション地区「BIOTIC」というプロジェクトが計画されており、イタリアの建築家 カルロ・ラッティが率いるCarlo Ratti Associatiがそのマスタープランを公開している。

プロジェクトは、ルシオ・コスタとオスカー・ニーマイヤーが設計したブラジリア中心市街地部「プラノピロット」と、42,000ヘクタールの緑地であるブラジリア国立公園のあいだに位置する。

このプラノピロットにヒントを得たBIOTICでは、社会と環境の両面でサステナビリティを実現する新しいハイブリッドな環境を作り出し、自然に寄り添う方法を提案している。

たとえば、設置される住宅やオフィス、広場、公園は、コスタがプラノピロットで定義した「住宅」「記念碑」「集団」「田園」という4つの都市コンセプトをヒューマンスケールで改めて組み合わせるそうだ。

▲「BIOTIC」コンセプト

さらに、たんにミクストユースを目指すのではなく、ブラジリアを象徴する「Superquadra(super blocks)」と呼ばれるエリアを通りに面した歩行者向けのブロックに分割。エリア内部は交通渋滞や大気汚染を避けることができ、社会的なつながりをも生み出すとしている。

また、ブラジリアの一年中温暖な気候を活用した、屋外オフィス環境の可能性も想定。活気に満ちた屋外レストランやカフェをスマートな作業スペースに変えるだけでなく、建物のあらゆるカーテンウォールを本物のカーテンのように開閉する。

デジタルテクノロジーを用いて日光や風、温度を管理することで、居住者には広場や歩行者エリア、共同菜園、研究所、ショップなどにある自然と触れ合う機会を提供。パブリックエリアとプライベートエリア、オープンエリアと閑静なエリアをシームレスに移動できるようになるとしている。End