飛騨産業、100周年記念として
染色家・柚木沙弥郎とコラボで「第七號椅子」を復刻

飛騨産業は、2020年8月に創業100周年を迎え、記念事業の第2弾として100年前の創業当時の製品ラインナップから「第七號椅子」を復刻、製品化した。

同社では、社内に保存されている資料のなかから創業当時のカタログのカラーコピーを発見。当時は製品ラインナップ(主に椅子)に、シリーズ名などではなく「第壱號」「第貳號」と、連番が振られていたという。

なかでも「第七號椅子」は、飛騨産業独自のオリジナリティを持つもの。デザインとしての特徴は、水平に持ち出された笠木にある。左右に張り出させることで肘木と一体化した造形となっており、横一直線のラインは、創業当時大量に生産されていたトーネット社の曲木椅子のアレンジ商品とは明確に異なるそうだ。

椅子を構成するあらゆるパーツには、曲木の技術を採用。「環状曲木」 (木材を円環状に曲げることでループ型の部品を成型する技術)などにより、優美な曲線を描く柔らかいシルエットができあがった。

また、100周年記念事業の第3弾として、染色家・柚木沙弥郎とのコラボレーションによる新ファブリック「クツロギ」「ダンラン」を製品化した。

織りの「クツロギ」は、柚木の手から生まれる力強いパターンを基に、「飛び出す感じがよい」ということで、パターンを縮小して使われるサイズの中に収めるのではなく、大胆に裁ち落とすことで、躍動感のある絵柄となっている。

一方、帆布へのシルクスクリーンプリントを採用した「ダンラン」は、柚木の原画に近い色合いとし、柄は柚木の原画の配置のままプリントしているので、織りとはまた違った面白さを表現。「第七號椅子」にも張られている。End